真に幸せになるための法華経 妙法蓮華経 方便品第二 ①  9 

妙法蓮華経 方便品第二 ① 

 

 前回 は無量義経では菩薩が対象でしたが、序品に入り、一般大衆が対象になり、心構えを教えて下さいました。その前兆としていろいろな奇瑞が現わされ、その中で仏の眉間から光がさしたとありますが、これはいよいよ方便品で真実が説かれるということです。

 

方便品第二に入ります。

 

無問自説

今までは質問に対して説法されてましたが、真理はあまりにも深淵なため、誰にも理解されないであろうことから、今度は誰からも請われることなく舎利弗に向かって仏様が自ら説法を始められました。 

 

髄宣説法(ずいぎせっぽう)

仏はこれまで相手の機根に応じて適切に解き分けてきました。これを髄宣説法といいます。

四無量心(しむりょうしん)

仏は智慧と方便を兼ね備えているから出来たことです。そこへもって四無量心を併せ持っておられます。

四無量心は慈悲喜捨(じひきしゃ)の四つです。

慈・・・人を幸せにしてあげたいと思う心

悲・・・人の苦しみを抜いてあげたいと思う心

喜・・・人の喜びを共に喜ぶ

捨・・・人に施した恩も、人から受けた害も忘れ、一切の報いを求めない心

 

三止三請(さんしさんしょう)

ここまで説いてこられた仏様がここで突然説くのをやめたのです。

それは仏様は過去世において無数の仏につかえ、修行をしてきたから仏と仏の間でしかわからなく、あまりに真理は深淵だから一般大衆には無理だからです。

 しかし、舎利弗は他の者達からの熱意もあり三度にわたり、真理を説いて欲しいと懇願したのです。これを三止三請といいます。

 

五千起去(ごせんききょ)

 するとその場にいた出家・在家の五千人の人達が去って行ったのでした。

これは悟ってもいないのに悟っていると思いこんでいて、業が深く驕慢だから最高の教えを受け入れることに耐えられなかったからでした。

 

五千人が去った後、今ここにいる者は最高の教えを受け止められる力のある者達だから真理を説くことにしたのでした。

 

ここで諸仏出生の一大事因縁である開示悟入を説かれました。

 

方便品の要点

①全ての人間は仏性を備えているから仏性を自覚させること

②相手の機根に応じて説いてきた方便もすべて真実だということ

 

次回は一大事因縁・開示悟入の解説をします。