真に幸せになるための法華経 方便品第二  ③

妙法蓮華経 方便品第二 ③     11 

前回は一大事因縁・開示悟入・十如是の解説をしました。

 

今回は開三顕一に入ります。

 

開三顕一(かいさんけんいつ)

 字の如く、三乗を開いて一乗を顕す。

仏の願いは全ての人を仏の境地に導きたいという一言につきるのです。声聞、縁覚、菩薩の区別はないのです。声聞、縁覚、菩薩も自分で気づいてなく実は仏の境地に向かって歩いているのです。今はその途中にいるということだけなのです。

 

あるのはただ一仏乗

 一仏乗とは三つに分けた教えがあるのではなく、方便によってそれぞれの段階の人に相応しい教えを説いたのであって、仏の真実の教えはあくまでも一つです。これが一仏乗です。

 

五濁の悪世(ごじょくのあくせ)

仏がこの世に出られるのはよくよくの時です。 世の中に汚れが満ち満ちてどうにもならなくなった時にそれを救う為に現れるのです。 その汚れが五つに分けられるのです。

 

劫濁(こうじょく)・・・時代が長く、古くなった為に起こってくる悪。 マンネリ化し

            ている状態

煩悩濁(ぼんのうじょく)・・・煩悩・わがままが盛んになって起こる悪。

衆生濁(しゅうじょうじょく)・・・一人一人立場、性質の違いにより、譲る精神が少   

                 なく我を通して全体の調和を崩す。

見濁(けんじょく)・・・ものの見方がそれぞれ違う為に自分本位の見方をし、正見を    

            覆い隠し世が濁る。

命濁(みょうじょく)・・・先行き不透明で目先の利益や効果を追い求める考えをす       

             る。

一人として成仏しない人はいない

この法華経が「受記経」と言われる最大の理由がこのお言葉なのです。 方便品では舎利弗が受記されますが、全ての人が必ず仏の境地に到達できるのだと確信が持てるのです。 この法華経を学び、少しでも実践することによって大歓喜を感得できるようになります。 それがこの法華経の大功徳なのです。

 

次回は比喩品に入ります。